妹幽霊 兄と過ごした七日間


「お兄ちゃんさ、彼女いないの?」

「はっ!? いきなりなんだよ!!」



 あ。お兄ちゃん、近くにいたお母さんたちに変な人に思われた。


 変な目で見ては去っていく。不審者だと思われて、ショックを受けて項垂れてる。
 さすがに恥ずかしくなってきたみたい。



「詩月、歩きながらでいいか?」

「うん」



 お兄ちゃんはプレイゾーンを出て、ウォーキングの真似をしながら歩き出す。わたしも一歩後ろをついていく。


 幽霊なのに普通に歩くって変な感じ。



「で? オレに彼女だって? いると思うか?」



 持っているスマホもポケットから出す気配はない。夏休みなのに暇そう。それに、楽しそうじゃない。
 つまり、そういうこと。



「いないんだ」

「軽く傷つくな」

「わたし、ね。告白されたことがあるの」

「は? 告白!?」