なぜかお兄ちゃんが悲しそうな顔をした。


 そう、だよね。
 未練がなくなったら、七日を待たずにわたしはいなくなる。きっとお兄ちゃんは葛藤していると思う。


 わたしは精一杯の笑顔を向けてみる。やっぱり寂しそうに笑うお兄ちゃん。



「食べ終わったら行くぞ。オレは出かける準備してくる」



 立ち上がって出かける準備をするお兄ちゃんの表情は見えない。


 でも。


 わたしはまた、お兄ちゃんを傷つけてる。
 

 ごめん。ごめんね。


 ちゃんと未練を探して、ちゃんと成仏して、お兄ちゃんを解放しなきゃ。


 わかって、くれるよね?
 ねえ、お兄ちゃん。