「お兄ちゃん、出かけない?」
「え?」
「わたしの未練、見つけなきゃでしょ? だから、お兄ちゃん協力して」
「お前の未練だろ。何か心当たりは?」
「え? 心当たり?」
これ以上、お兄ちゃんを追い詰めたら駄目だと感じたわたしは話題を振る。
何となく元気を取り戻したお兄ちゃんに心当たりを聞かれるけど。
うーん。心当たり……か。
「わかんない」
「わかんねーのかよ!」
漫才のツッコミみたいに叫ばれた。
「出かけるって、どこか行きたいとこあんの?」
「うーん……あっ!」
「どこだ?」
わたしは行きたい場所を決めた。
「公園。お父さんと前に行ったことがある。子供の頃によく遊んだ……よくってほど行ってないけど。その公園に行きたいかな」
「……行ってみるか」



