『緒川は頼まれれば断らない性格だから、オーバーワーク気味になりやすい。気をつけてやれよ?』

『頼まれれば断らない?』

『仕事が早いから、ついつい周りも頼りにしてしまう。何度か倒れかけたことがあるくらいだ』

『倒れかけた?』

『あぁ。だから気をつけてやれよ?それと、個人的にもオススメしとく。じゃあ、よろしく』

真島はあっという間に総務課に戻っていった。

総務課は繁忙期真っ只中だ。

にもかかわらず、わざわざ直接言いに来た。

余程のことなんだろうか。

この時、あまり深くは考えていなかったが、会って一瞬で心奪われるとは思ってもみなかった。