少し軽く考えていた私は、急に重い責任を感じ始めた。

あらかじめ学生に話す内容は考えていたけれど、もう少し練り直したほうがいいかもしれない。

人事から渡された資料一式を片手に営業課に戻る途中、給湯室から聞こえてきた話の内容に、思わず足を止めてしまった。

「受付の春田さんでもダメだったらしいよ~」

「社内一の美人でもダメだったの!?」

「だいぶ食い下がったらしいけど、天野課長、結婚を考えてる人がいるって言ったらしいよ!」

「嘘!?天野課長、付き合ってた人がいたの!?ショック!」

「彼女がいたことにもビックリだけど、まさか結婚なんてね~」

「真島課長といい、天野課長といい、イケメンは次々に結婚していくね~」