『1‐C哀川せつな、至急職員室に来てください。繰り返します……』
廊下に響くアナウンス。
今は春、出会いの季節。
呼ばれた本人はというと
…迷子になっていた。
「あ、俺C組なんだ…もうクラス発表も終わっちゃったのかな、早く行かないと。」
彼女は今男装をしているが、
正真正銘女である。
また、新入生である。
そして、入学式等は
もうとっくに終わっている。
「地図とかあればいいのに…あ、人いた。」
ちょうど陽の陰のあたりに立っていて、
一見気付かないが、
そこには男子生徒がいた。
ネクタイは緑、2年だ。
「あの、すみません。」
「はい?」
声をかけて気づいたが、
男子生徒は近くで見ると
結構整った顔をしていた。
「俺、新入生なんですけど、どこ行けばいいかわからなくて…で、今は職員室を探してるんですけど、職員室の場所を教えてくれませんか?」
すると少し考え顔をしたあと、
「哀川せつな君?」
と聞いてきた。
「あ、はい。哀川せつなです。
…でもなんで名前知ってるんですか?」
「え?まさか聞いてない?あのアナウンス」
アナウンスと聞いて思い出す。
…あれしかない。
「あぁ、聞きました。」
「だよね。」
先輩はクスッと笑っていうけど、私としては結構笑えない思い出だ。
「えっと…職員室だっけ?それなら、南校舎の2Fに行けばあるよ。じゃあね…あ、入学歓迎するよ、おめでとう。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
先輩の後ろ姿を見送ってから来た道を戻る。
ここは北校舎の1Fだからとりあえず渡り廊下を探さなくちゃだ。
じゃあ、歩きながら
この学校の説明でもしようか。
廊下に響くアナウンス。
今は春、出会いの季節。
呼ばれた本人はというと
…迷子になっていた。
「あ、俺C組なんだ…もうクラス発表も終わっちゃったのかな、早く行かないと。」
彼女は今男装をしているが、
正真正銘女である。
また、新入生である。
そして、入学式等は
もうとっくに終わっている。
「地図とかあればいいのに…あ、人いた。」
ちょうど陽の陰のあたりに立っていて、
一見気付かないが、
そこには男子生徒がいた。
ネクタイは緑、2年だ。
「あの、すみません。」
「はい?」
声をかけて気づいたが、
男子生徒は近くで見ると
結構整った顔をしていた。
「俺、新入生なんですけど、どこ行けばいいかわからなくて…で、今は職員室を探してるんですけど、職員室の場所を教えてくれませんか?」
すると少し考え顔をしたあと、
「哀川せつな君?」
と聞いてきた。
「あ、はい。哀川せつなです。
…でもなんで名前知ってるんですか?」
「え?まさか聞いてない?あのアナウンス」
アナウンスと聞いて思い出す。
…あれしかない。
「あぁ、聞きました。」
「だよね。」
先輩はクスッと笑っていうけど、私としては結構笑えない思い出だ。
「えっと…職員室だっけ?それなら、南校舎の2Fに行けばあるよ。じゃあね…あ、入学歓迎するよ、おめでとう。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
先輩の後ろ姿を見送ってから来た道を戻る。
ここは北校舎の1Fだからとりあえず渡り廊下を探さなくちゃだ。
じゃあ、歩きながら
この学校の説明でもしようか。
