私は、ほとんどコミュニケーションの取れないアランと2人きりで座ることになった。



船の一番後ろの席。



聖と悠希は、ニヤニヤしながら、前の席から私達を見ていた。





風が少し肌寒い。


でも、体が熱い。




言葉は通じないけれど、


言葉なんて必要なかったんだ。



美しくライトアップされた建物を見て、私は歓声を上げた。



「うわぁ!!すごい!!」




アランは、そんな私を見て、優しく微笑んだ。





私がくしゃみをすると、アランがマフラーを貸してくれた。


アランは、私の首元に優しくマフラーを巻いてくれた。


ほんのり香水の匂いがした。



「メルシー!」


「ドウイタシマシテ!」