いつもより食欲も口数も少ない私に、悠希が声をかけた。



「どうしたの?まさか、本気で惚れちゃった?」




うつむいたまま、首をたてに振る私。




ムール貝を食べる手を止めた2人が、厨房にいるアランを見た。



「確かにイケメンだよね。映画に出てきそうな顔…」



「うん。あのはにかんだ笑顔も確かにかわいいよね。」




聖も悠希も、私が惚れるのも無理はない、と言った。




叶うはずのない、期間限定の恋。




このムール貝を食べ終わるまでの恋……