龍神と生贄の話と、霊界ナビゲーターの話とどう繋がるのだろう。


奈麗の思考はますます混乱し、頭を抱えることになりそうだった。


朝食を済ませ、自室に戻って退室の準備をする事になった。


弓愛は先程の話を続けた。


「人間と、龍神はね、さっき言ったそれだけの関係。


主従関係で人が上なんてもってのほか。


力関係は、最初から決まってるの。


陰陽師と法力師を除いてね。でも今は、龍神を上回るほどの霊力の強い人間は絶滅危惧種。


あとね、稀におかしな龍神さまがいるの。


人間に恋愛感情を抱いてしまうダメな存在がね。


龍神のほうは良いかもしれないけれど、愛された人間のほうはいつも振り回されちゃう。


昔の物語や伝説で、よくあるでしょう?



人外と人の恋愛。



そういう物語はね、だいたいバッドエンドで終わ…。」




「その辺にしておけ。弓愛」



突如現れたユウは、落ち着き払ってはいるが、力のある言葉で弓愛の言葉を容赦なく遮った。



目が笑っていない。



「あなたがいつまでも降りて来ないからよ。」



弓愛はどこ吹く風である。



「俺は常にこちら側にはいられない。いるにしてもそれなりの技術が必要だ。」


ユウは奈麗をちらりと見やる。


「余計な話をして奈麗を混乱させるな。只でさえ、ナビゲーターになる事に対して抵抗を抱いているというのに。」


奈麗は心中穏やかではなくなった。


こちらの心情がバレているのだ。