何か封筒のようなものが見えて、そこにはこう書かれていた。
『僕と同じ思いを持つ者がここを開けてくれると信じて、ここに記す。』
古めかしい紙に書かれた文字。
記すと書かれた下の方に記名されていた。
それは『辻本太郎』
「太郎って………。」
桃香の言葉に何も発さずに頷いた宗一郎が神妙な面持ちで中から数枚を取り出した。
それからを桃香にも見えるように二人の間に広げた。
最初に目に飛び込んできたのは………。
胸がひどく痛くなる一文だった。
それを宗一郎が口にした。
「僕は欠陥品として生まれた。」
思わず宗一郎の服の端をつかんだ。
宗一郎は何も言わない。
欠陥品だなんて……。
しかし自分のことをそう呼ぶ太郎はきっとオッドアイだったのだろう。
次にその記述があった。
続きも宗一郎が朗読した。
「片目は薄く、もう片方は悪魔の目。
私はこの体を呪った。」
宗一郎は自分のことに重ねたのか、便箋を握る拳に力が入った。
「私に潜む悪魔を鎮める儀式は行われた。」
悪魔を鎮める儀式………。
変わらないしきたりは受け継がれていた。
胸が痛くて、けれど宗一郎は続けた。
『僕と同じ思いを持つ者がここを開けてくれると信じて、ここに記す。』
古めかしい紙に書かれた文字。
記すと書かれた下の方に記名されていた。
それは『辻本太郎』
「太郎って………。」
桃香の言葉に何も発さずに頷いた宗一郎が神妙な面持ちで中から数枚を取り出した。
それからを桃香にも見えるように二人の間に広げた。
最初に目に飛び込んできたのは………。
胸がひどく痛くなる一文だった。
それを宗一郎が口にした。
「僕は欠陥品として生まれた。」
思わず宗一郎の服の端をつかんだ。
宗一郎は何も言わない。
欠陥品だなんて……。
しかし自分のことをそう呼ぶ太郎はきっとオッドアイだったのだろう。
次にその記述があった。
続きも宗一郎が朗読した。
「片目は薄く、もう片方は悪魔の目。
私はこの体を呪った。」
宗一郎は自分のことに重ねたのか、便箋を握る拳に力が入った。
「私に潜む悪魔を鎮める儀式は行われた。」
悪魔を鎮める儀式………。
変わらないしきたりは受け継がれていた。
胸が痛くて、けれど宗一郎は続けた。