寂しくなって丸くなるように自分の膝を抱えた。
思ってもみなかった安らかな自分の居場所。
それなのに脆く危うい関係は簡単に終わりを告げるだろう。
不毛な考えを巡らせていると、宗一郎は戻ってきた。
桃香が失言する前と変わらない穏やかな空気を身に纏っていて、少しだけホッと息をつく。
いつからだろうか。
人の纏う空気を敏感に察知して気にするようになった。
そして宗一郎は纏う空気が別人のように変わる人だった。
同じソファに座った宗一郎は桃香と程よい距離感だ。いつもと同じ。
桃香も居場所を確かめるように座り直した。
もぞもぞと動く桃香を宗一郎は目を細めて見ていた。
たまに感じる愛おしいモノを見つめるような錯覚。
今は向けられた薄い両眼さえも愛おしく感じた。
射抜かれるだけで微動だに出来なくなるはずの瞳も今は禍々しさを感じない。
「桃ちゃん。
ちょっとだけジッとしててね。」
優しく諭されて大人しくしていると何かを取り出して、宗一郎は鏡を見つめた。
テーブルには1DAYと描かれた箱。
その中の小さなケースを取り出した。
コンタクトを入れるみたいだ。
目悪かったんだ……そんな感想が浮かぶ。
けれどそんな間抜けな感想はコンタクトを入れ終わった宗一郎を見て、どこかへ吹き飛んでしまった。
呆然と見つめる桃香を見つめ返す。
その瞳は………。
思ってもみなかった安らかな自分の居場所。
それなのに脆く危うい関係は簡単に終わりを告げるだろう。
不毛な考えを巡らせていると、宗一郎は戻ってきた。
桃香が失言する前と変わらない穏やかな空気を身に纏っていて、少しだけホッと息をつく。
いつからだろうか。
人の纏う空気を敏感に察知して気にするようになった。
そして宗一郎は纏う空気が別人のように変わる人だった。
同じソファに座った宗一郎は桃香と程よい距離感だ。いつもと同じ。
桃香も居場所を確かめるように座り直した。
もぞもぞと動く桃香を宗一郎は目を細めて見ていた。
たまに感じる愛おしいモノを見つめるような錯覚。
今は向けられた薄い両眼さえも愛おしく感じた。
射抜かれるだけで微動だに出来なくなるはずの瞳も今は禍々しさを感じない。
「桃ちゃん。
ちょっとだけジッとしててね。」
優しく諭されて大人しくしていると何かを取り出して、宗一郎は鏡を見つめた。
テーブルには1DAYと描かれた箱。
その中の小さなケースを取り出した。
コンタクトを入れるみたいだ。
目悪かったんだ……そんな感想が浮かぶ。
けれどそんな間抜けな感想はコンタクトを入れ終わった宗一郎を見て、どこかへ吹き飛んでしまった。
呆然と見つめる桃香を見つめ返す。
その瞳は………。