ーガチャ



「あっ」



律が声を上げてすぐ。



「ま、まぁまぁまぁまぁっ!」



母の興奮した様な声が聞こえた。



「………ハッ!悔しいけど、悲しいけど、見たいけどダメよ私。律君は熱を………あ〜でも………」



何か呟いてるが、さっさとズボンを脱がさねば。



「ちょっ、雪香!?////や、辞めっ/////」



辞めて欲しいと言っても辞めない。こんな中途半端で辞めるか。



さっさとズボンを脱いで楽にした方が良い。



「雪……香………」



おいおい律、呂律まで怪しくなってきたぞ。

声も弱々しい。



大丈夫か?



そんな事を思いながら律の上から退き、ネクタイとズボンを持ってベットから降りる。



「「へ?」」



ん?

突然律と母に変な声を出された。



「何です?」



「えっ、雪香貴女今……」



「今?制服なんて着て寝ても楽じゃないでしょうから脱がしましたが」



「………//////」

「……………」







しばしの沈黙。



………やらかしたか?私。



寝心地が少しでも良いように服脱がしただけ………って。

………あぁうん、やらかしてたな。



「性的な感情はありません。誤解させる様な素振りをしてしまい失礼しました」



「//////」

「……残念」



残念?



「ま、まぁ雪香。隣に貴女の自室があるから、今日はベットの上に出しておいたのを着てね」



「はい」



残念という母の言葉の意味がイマイチ理解出来ず、

いや全く理解出来ないまま律の部屋を出て自室へと入る。



シンプルな律の部屋とは大違いな部屋だった。



女の子らしいというか、現実味が無いというか、

とにかく現代的ではなくロココな部屋といえば良いだろうか。



と言うか、家具が………。



クローゼット無くないか?



ふかふかな律の部屋にあったものとは柄の違う絨毯の上に立ち、

化粧台や机と椅子、天蓋付ベット、ソファーなんかを眺めながら思う。