そんな事を思いながら玄関で靴を履く。



「って、早!」

「おはよう、お姉ちゃん!」



お姉ちゃん?



………フフっ、何かやっぱり楽しいなー。



可愛い妹にお姉ちゃんって、おのついたお姉ちゃんって。



雪希に名前じゃなく姉ちゃんって呼ばれるだけでも幸せなのになー。



なんて思いながら靴を履き、2人を見て言う。



「おはよ」



「うん!」

「おはよ」



雪路と雪希がそんな返事をしたのを見て玄関を出、道を進み、階段を20段程降り、少し進んで門がある。



この門には、白雪家の誰かの指紋を認証しないと入れないようにしてある為、

いくら義父であれ青龍であれ、この門は通れない。



認識を終え門を開けてすぐ、私のテンションはダダ下がり。



門を開けると、20段程の階段が見えるのだが、

何とそこには律以外の青龍が、それも伊東亜夢を含めた幹部が揃ってたのだから。



とにかく作り笑いを作って門を潜ろうとしたのだが、雪路に服を引っ張られて前に進めない。



「どうした?」



「………」



っ泣くのを、我慢してる?



訳が分からない私に、雪希が雪路の背中を擦りながら言った。



「あれ」



目線の先には、おそらく瑠樹。



で、瑠樹の腕に腕を絡めてる亜夢の姿。



………あー、そういうこと。



確かにこれは、ちょっと酷だな。



青龍の姫になるということは、総長の女かそれ以外の幹部の女ということ。



つまり、雪路が裏切り者にされる以前は瑠樹が雪路の男だったと。