「お話ですか?」


私はその内容が分からないので、首を傾げつつ先を促した。


「今回の件。もっと僕とモネの関係がハッキリしていたら起きなかったと思うんだ。これは僕の不手際が招いたと思う…。ドレスをあんな形にしてしまって、すまなかった」


なんと、そうジュール様は謝ってきた。


「今回の件はジュール様のせいではありません!あれはご令嬢方の行動が悪いのです!ですから、王妃様はお母様も呼んでご令嬢方を今日再教育なさるのですし、ジュール様が気に病むことではありません。ドレスだって、逆に斬新かつ新しい形を皆様にお見せ出来たと思っておりますから」


そう私はそこまで気にしていなかった。
生地に対する冒涜には怒っていたけれど…
ほら、ファッション馬鹿だから怒りの方向性がね、少々ズレてるのは理解している…。

しかもその後、自分よりも怒る方々に囲まれたので私の怒りは霧散してしまったのだ。


だから、結構スッキリしていて私としてはそんなに引きずっていないのだ。


私の表情を見て、言葉に偽りないのが分かるとジュール様はホッとしたように息をついた。


「モネがこそまで気に病んでないのは良かった。でも、不快な思いをさせて、余計な手間をかけさせたのは間違いなく僕がしっかりしてなかったせいだよ」


そう、キッパリと言うとジュール様は私にピタリと視線を合わせる。