サロンに行くと、そこにはお母様とジュール様が居た。


「お待たせして申し訳ありません。ようこそ、お越しくださいました、ジュール様」

そう御挨拶して、淑女の礼をとる。

姿勢を戻せば、私の前にはジュール様が来ている。

「モネ、今日もとても可愛いよ」

そう言うと、私の両手を掴むとスっと引き寄せられてつむじにキスを落とす。

一気に甘い空気を撒き散らすのもいつもの事で、それをニコニコと眺めたお母さんは立ち上がり

「では、私は失礼するわね?今日は王妃様のお茶会に私も招かれてますからね?」


お母様、お顔笑ってるけど背後真っ黒です!!

同じくらい良い笑顔をしたジュール様が、お母様に言う。


「再教育お願い致しますね、イライザ夫人」

「もちろんよ!私の娘にした事、必ずやしっかりと反省させますわ」


因みにお母様の淑女教育はかなりのスパルタです…。

王妃様も然りだと思うので、あのお嬢様方には心の中で合掌する私だった。


お母様が退室し、給仕に残ってくれたのはマノンさん。

サロンのテーブルセットに私とジュール様が座るとそこに、軽食とお茶を置くと適度な距離を置いてくれる。


「今日は大事な話をしようと思って来たんだ…」


お茶を少し飲んだあと、ジュール様がそう切り出してきた。