「シャノン姉さん、可愛らしい女の子が一人で居るよ?」
「なんだって?!こんな森の中に女の子が一人だなんて!!」


続いて来た栗毛色の馬には騎士の格好の女性。
麗しの麗人。
出るとこ出てる完璧に女性だけど、纏う空気が凛として清廉さの溢れる綺麗な人だった。
しかし、神様の言ってたことがよく分かった。
騎士だというのは分かるのに、その服の地味さたるや…
せっかくの美形が台無しだ!
もっと動きやすく且つタイトでカッコイイ騎士服を着せてあげたい!
メラメラと服作りの闘志が漲ってきた。


そして気づく、あ!言葉わかる!
あちら見た目は完璧に欧米人系美形さん達なのだが、喋る言葉は全く聞いたことない音の羅列なのに意味が分かる!
神様!これぞギフトです!ありがとう!


「お嬢さん、どこから来たの?」


おう…。
それはまた説明しづらい問いですよ!


「気付いたら、ここに居たの。どこから来たのかもわからないの…」


来たところは知ってるが、ここは知らないし…
上手いこと人里まで連れて行ってもらわねば。
夜の森なんて怖すぎるし!!


私は必至に訴えた。


「私、自分の名前しか分からないの…」


心底困った顔をする。
ほんとに困ってるしね…。