「神様の世界に行ったら、ここには帰れないよね?」


まあ、死んでるから無理だろう。


「そうだね、ここには帰れない。キミをボクの世界に移すのだからね」


そんな気はしていた。


「私の姿のまま行けるの?この歳のまま?」


それには、こう返ってきた


「君が望むならボクの世界に生まれ変わる方法も取れる。でもキミはすぐ服を作りたいだろう?魂を依代にボクの世界に器を作るということも出来る。その方がキミの知識は損なわれず、すぐに服作りが出来るよ。生れ変るなら赤ちゃんからやり直し」


その言葉に


「このまま行きたい。お願いします。」


ペコと頭を下げれば


「萌音、ありがとう。ボクの世界を可愛い子ども達を頼むよ。そして萌音もその一員だ。ボクは萌音の幸せを祈っているから、ボクからのギフトをあげる。萌音、ボクの世界がキミにとって幸いになりますように。幸せにおなり」


そうして、眩い光に包まれて腕で庇いながらも、目を瞑る。


眩しさが落ち着いて、目を開いたらそこは自然豊かな森の中だった。


おい神様、もう少し送る場所は考えてくれないかね?
せめて人里に送ってくれよ。


そう思いつつも、私はこの世界ノルーチェに辿り着き、一歩を踏み出したのだった。