「初めまして、モネ嬢。僕はジュール・ヴィンザー。一応このヴィーノ王国の王太子」


はい、にこやかに王族と名乗られました!!
ま、叔父上と公爵様を呼んでる時点で何となく察してたけども!
王太子様でしたか!!
時期国王陛下でしたか!!
わーん、私そんな高位の方とお会いするとは思ってなかったよ。


そして、掴まれた手はいつ離れるの?
私に適度な距離をプリーズ!!
目線でお母様に助けを求めると


「ジュール様、お久しぶりにございます。さて、そろそろ娘を離してくださらないと。まだまだ、うちのモネは可愛いので他所にはやりませんのよ?」


おっとお母様が何やら不穏な気配まで出している。


「レディに失礼があってはなりませんね。モネさん、ぜひお見知りおきを」


そう告げると、王子様は私の甲にキスを落として手を離してくれた。


グハッ!(第二弾)


王子様が王子様的振る舞いをするという、またまた破壊力が抜群で……。
これは、あれかな。
お前、悶え苦しんどけって事かな。
つい、私は遠い目をしてしまった。
そんな私をそっちのけに会話は続いていた。


「あら、これはジュール様。リアムと戦わなくてはなりませんよ?うちの夫は手加減無いですよ?」

「リアム元団長と戦わねばならぬか。リュカが相手してくれるかな?」

「リュカも手加減しないと思いますわ」


そんな、よくわからぬ会話がされて、それを聞いていた公爵夫妻は目を丸くしたあと、ニコニコと見守っていた。


「モネお姉様、ファイト!」


アメリア様の声でやっと帰ってきた私には何が何だか分からぬままに、お茶会を終えて帰宅したのだった。