お式の前日、嫁ぐ前の最後の夕飯。
ご飯を食べ終わったあとの恒例の皆でのお茶の時間。
私は用意したものを持ち、皆に渡していく。
お父様には帽子、お母様にはコサージュ、お姉様にはストール、お兄様にはアスコットタイ。
お針子軍団には私が発注していた足踏み式ミシンをプレゼントした。
使い方も昼のうちに教えて、かなり皆目をキラキラさせて喜んでくれた。
家族へのプレゼントには全てにそれぞれのイニシャルを裏に刺繍してある。
皆喜んでくれた。
「お父様、お母様、お姉様、お兄様。何も知らなかった私を迎え入れてくれて。更には嫁ぐ準備まで、何なから何までありがとうございます。私はこの家の子になれてとても幸せです」
そう、言葉にして伝える。
自分の気持ち。
何も分からぬまま来たこの世界でやってこれたのはシュヴァイネル家のみんなのおかげだ。
「モネ、我々も幸せだよ。可愛くて素敵な服を作る才能ある娘と巡り会えた。この巡り合わせは神の導きだろう。会うべくして会い、我々は家族になった。そして、嫁に行こうと我々はモネの家族だ。気軽には来れないかもしれないが、何かあってどうにもならなくなったならば。ここに帰ってくればいい。ここはモネの家に違いないのだから」
お父様はそう言って私を抱きしめ、そんな私達のそばには寄り添うようにお母様やお姉様、お兄様がいた。



