あたしには…
思ってもいなかったプロポーズだった。

でも、先輩の方は…
ずっと考えていたと教えてくれた。

あたしが卒業してから…ずっと考えていたと。

でも、あたしの仕事の様子を見てからと
思っているうちに。
日本全国を飛び回るあたしを、なかなか…
呼び止められなかったと。

今回、久しぶりに2人とも長期の休みが
とれて。帰省の予定もあったから。
可能なら実家に挨拶に行きたいと…
思ってくれていたらしい。


…全然言ってくれないから…
ビックリしたよ。

ん。ごめん。
ちづるが、卒業したらって最初は
思ってたんだけど…。
まさか、CA目指すとは思ってなくって。

俺が今の仕事選んで、離ればなれを
我慢させたのに…
ちづるのやりたい仕事を、邪魔するのは
…ちがうなって、思ったんだよ。

そうなんだね…。
でも、あたし結婚したら…
今の仕事どうしようかな…。

…続けないの?

だって…なかなか家に帰れないよ?

うん…。
でもさ…?
絶対に…帰ってくるじゃん?
俺んとこに。
それって、すごい幸せなことだなぁって
思ったんだよね。



うん…すごく…幸せかも。
あたしは…必ず、先輩のとこに帰れるんだね。

先輩?

あ、たかくん…です。

よろしい。と、言わんばかりのドヤ顔。

たかくん!

はい?

結婚しよう!早くしよう!ね?

ジャンプして抱きつくあたしを受け止めて。

よ、よし!
ちづるの気が変わらないうちに、そうしよ。
と、笑った。