好きな人がいるという幸せを知った。

好きな人に愛される喜びを知った。

眠りについて、目が覚めても…
覚めない夢を知った。

新しい年を迎えたあたしたち。
未来の不安は、決して無くならないけど。
心はつながっていると、信じてる…。

今年もよろしくお願いします。の
メッセージに、
こちらこその返事。素直に嬉しい…。

家族でのんびり過ごしながら、
心の中で指折り数えてた。
あと1週間で、会える。
あと5日…。あと…。
それももう終わり。

…やっと明日会える。

今日のお昼には、寮に帰ってきた。
久しぶりの1人の空間。
ちょっと寂しいけど。

先輩に連絡…と、思ったら電話が来た!

ちづる?着いたの?

実家だと落ち着いて電話できずにいたから…。
ドキッとする。

やっぱりその声…すごい好き!

え?返事になってないけど?
てか、声だけじゃないだろな?と、笑う。

声だけなんて。…さあ、どうでしょ。
着いたよ。待ってた?
と、返事をする。

待ってたけど…
どうでしょってどうなん?

久々に、ふざけ合って笑える幸せ。

明日は、駅に12時に着くよ。
お出迎えよろしくね。と、言うと。

かしこまりましたよ。
気をつけてよ。と、心配そうな声。

何か心配?と、聞くと。

んー。なんか、本当に来れるのかなと…。

あのね…あたしは、オトナですぅ!!

わかってるけど…
ま、甘やかされといてよ。
じゃあ、明日ね。

うん。駅でね。飛びついてあげる。

え、勘弁して。と、笑いながら電話を切る。

今年最初の先輩とのデートだ…。

左手を目の前に上げて指輪を見る。

アクアマリンの水色が、空の色と重なって
ピカピカと光っていた。