夢のような三日間だった。

突然のプチ旅行になった日。
目を覚ますと、耳元でまだ寝息が聞こえた。

あたしを、背中から抱きしめたまま眠ってる。向き合うように、体の位置を静かにかえて
寝顔を見る。

…可愛い。

気配を感じたのか、片目を薄く開けて
また、ごそごそとあたしを抱きすくめる。

身動き取れないまま、じっとしてると。
あったかくて、また眠くなる…。

二人でウトウトしてる時間。
体から伝わる体温。
昨日は…。
壊れ物のように、優しく…ふれてくれた。

思い出したら。
はずかし…。
先輩の胸に顔をうずめたら。

ん…と、先輩が起きたのか、あたしの頭を
なでた。

…おはよ。ちづる…。もう起きてた?

おはよ。先輩。起きてるよ。

恥ずかしくて、顔を見れない…。

ふと、枕元の時計を見ると。

あ、先輩!もうこんな時間!!

あたしの声に、時計を見た先輩が。
うわ!やば。いそご。

二人で飛び起きた。
重い体を引きずり、急いで身支度を整え。
朝ごはんもそこそこに外へ出た。
最後のチェックアウト客だった。

ふぅ。セーフ。

顔を見合わせて、2人笑い転げた。
楽しすぎる。
笑うあたしを見つめる先輩。

自然に手をつないでるあたしたち。
嬉しくて、楽しくて、幸せで。

どんなことでも乗り越えられそうな。

そんな2人に…思えたよね。