コンビニまで、少しの間。
先輩は、ちょっと先を歩いてた。

背中をながめてると、立ち止まって振り返る。
どうしたー?と言う先輩。

まだぽーっとしてるんだな。あたし。
なんだか、現実味がなさすぎる。

はい。と、手を出す先輩。

ドキドキする。
いいのかな。こんな外で、恥ずかし…。
でも、嬉し!
とととっと、近づき、ぎゅっと先輩の手を
握る。

おっきな手。あー幸せ。

照れくさくて、つないだ手をブンブン
振って歩こうとするあたしを、笑う先輩。

こんな風に2人で歩くのも初めて。

あたしの初めてが、どんどん増えていく。

悲しい未来は、置いとこう。
幸せを素直に味わおう。
大事にしたい。先輩との時間。

先輩の家に帰り、買ってきたチョコケーキ
一個を半分こして食べた。

甘い…。
でも、あたしを見る先輩の目も甘い…。

誕生日に間に合ったね。
おめでと。と、
あたしに、キスをくれた。

チョコ味の、先輩のキス。
甘い!と、笑う先輩。

倒れそう…。