先輩は、少し困った顔をしている。
あたしたちの、これからと言われて?
あたしに、気持ちを伝えてくれなかったのは。
なんなら、忘れてもらおうとしてたのは。
あたしたちの未来は、同じじゃ無かったんだよね?
先輩の中では…。
そーゆーことかぁ…。
色んなことが、一気に腑に落ちた。
はぁ…。
なんてことだろ。
あたし、両想いなんて初めて。
…まあ、そもそも告白されたことも
したこともないけど。
こんな幸せある?
好きな人が、自分を好きだったなんて。
信じられない…。
あたしを見る先輩は、まだ困った顔をしてる。
お互い、気持ちを知っているのに。
それなのに。
それでも…?
あたしたちの未来は、別々なの?
先輩?
いつ、この家引っ越すんですか?
真っ直ぐ目を見て聞くあたしに。
来月の末だよ。と、静かに答える。
東京勤務は、決定なんですか?と聞くと、
一応その予定。来年の春、研修入ってから
その後、決定にはなるけど。
ここに残れるなんてことは…?
うん。あまり期待されてないようだと
あるかもしれない。
先輩にとって、ここに残れるということは
やりたかった仕事で期待されてないということになるのか…。
あたしは、それを願うことは許されないよね。
あぁでも…。
あたし、離れたくない。