悲しかったのに。
抱きしめられて、ビックリして。
嬉しくて。
でも、やっぱり悲しくて。

なかなか泣きやめないまま。
先輩が、ずっと。
ごめん。ちづるちゃん、ごめん。と、
優しい声で繰り返している。


…俺が悪いんだ。

誕生日だって聞いたら、何かしてあげたく
なっちゃってさ。
後先考えずに、動いちゃってて。

電話で声を聞いたら…。
俺、どうしても会いたくなっちゃって。

会ったら…。
帰せなくて。

ここまで連れてきて…。
ごめん。
怖かったんでしょ?

ふと、気づいたように、あたしを抱きしめる
手を解き、少し離れた。

また、ごめん…と言う先輩。


色んなことが頭の中駆け巡り。
なんて言ったらいいか、わからなかった。

ぼーっとしているあたしに、

大丈夫?落ち着いた?と、恐る恐る聞く先輩。

すっかり反省している姿を見て…
少しだけ冷静になってきた。


あたし…たち?
これから、どうすればいいんでしょう…。

初めて、こんなに好きな人ができて。
その人があたしを好きで?
でも、一緒にいられないの?
どうしてこんな苦しいの?

あたしの、夢に見た初めてのあおはる…。

つらすぎるよ、神さまー!!