帰って来てからは。

俺、今、繁忙期終わって、ちょうど時間
あるから。

たかくんが、色々動いてくれて。
あたしが、何日か仕事で留守にする度に、
新しいことが決まってた。

たかくん…任せっきりでごめんね。

いや、わりと楽しい。
やっと、ちづると暮らせるんだなーと思うと
全然大変じゃないよ?


たかくんは、ずっと会社の寮にいたので…
どちらかと言うと、不定期なシフトの
あたしと、結婚に向けて相談を進めると
いう…両親たちへのタテマエのもと。

先に一緒に暮らすことになった。

新居候補を、たかくんが探してくれて。
あたしが気に入った部屋へと。
明日引っ越しだ。

式場は、来年の6月に決まった。


あまり荷物は無く、お互い引っ越しの
準備は終わっていたので、
今夜は、近くのホテルへ2人で泊まる。


たかくん、疲れてない?

ちづるこそ、忙しいのに頑張ってくれて。
ありがとう。

お礼を言うのはあたしだよ。
もう、色々…大変だったでしょ?
ほんとに、ありがとう。

おや、今日はやけに素直だね?

だって…こういうのって準備が大変で
ケンカになったりするくらい、
もめたりするって。
友達から、さんざん聞かされてたから…。

ちょうど、俺の時間に余裕があったからだよ。
…もともと、こういう段取り組む仕事してる
しね。好きなのかもね。

それに何より…。

ん?と、聞くあたしの手首をつかんで、
ふわっと抱き寄せる。