急いでお風呂場に向かい。

ちづるーどうした?そんな急いで?

声かける友達にも、急用ができて!と
返事もそこそこに、部屋に戻り。
超スピードで、身支度を整える。

鏡に向かい。

おかしくない?
滅多に履かないスカート姿の自分に照れる。
ほんのり赤いリップつけて。

時計を見ると、もう出ないといけない時間!

行かなきゃ。
部屋を出る前に、もう一度鏡を見る。

チークもつけてないのに、顔が赤い。

もう。緊張してますって顔してる。

緊張…しないわけ無いじゃん!
有難いことに、あんまり考えてる時間も無い。

よし。頑張る。

指定された場所につくと、ちょうど先輩の車が
来るのが見えた。

本当に来た…。

私の側に止まった車。
運転席から先輩が、あたしを見上げ、
助手席を指差して乗るように言ってる。

恐る恐る乗り込むと。

ごめんね。急がせたでしょ。
大丈夫だった?と、いつもの低い声。

いえ、あたしこそ!
急にお願いしてすみません。

思い切り恐縮するあたしに、また少し笑って。

ご飯まだ?なんか食べようか。

は、はい!ご飯は、まだです!

お、お腹減ってる感じだね。
じゃ、とりあえず出るね。

ゆっくりと動き出した車の中で。


ご飯食べれる気がしないけど…。

先輩が、隣にいる。
この幸せを、残さずに味わおうと誓った。