「それに君は昨日、『D.L』の車に乗るところを大勢に見られているからね。

もしかしたら、君には危険が及ぶかもね。」






「それは……!」







「俺が勝手に乗せたって?

そうだね。でも、君が『D.L』の車に乗ったことは事実だよ?

君のことはもう、噂になってるだろうね。」








「………。」








ズルい。そんなの……。








「あ、もしもし?俺だけど。」






『――――!』






「あー、ごめん、ごめん。

まぁ、良いもん拾ったから持って帰るよ。

京は?」








拾った、って。物なの?私は。







『―――――。』






「マジか……。

昨日からずっとだな。

ま、とりあえず、今から帰るわ。」






面倒くさそうに顔をしかめる冠城さん。






『――――――。』







「あー、了解、了解。」







そう返して、電話を切る。




と、ニコッと笑い、






「じゃ、行こっか。」






と待機させてた黒のボックスカーに私を乗せたのだった。