どうやらその娘は道を聞きに来たみたいだった。


 背丈は私と同じくらいだけど年下のようで、わたわたと一生懸命説明する姿は、まるで可愛い妹ができたみたいだった。

 つい、愛想笑いではない笑みがこぼれる。


 吹雪はいつも以上に刺々しく、いや警戒していた。こんなにも微笑ましい娘なのに、何をそんなに構える必要があるんだろう?



 そんな浮かれた二人が、吹雪は信じられなかった。


 自分の警戒心が他の人よりも強い(人見知り)なのは自覚している。
 でも、こんな怪しい奴、警戒しないでいられるわけがない。
 だって学ラン着てるんだよ⁉平日に!朝!外で!二人は気づいてないの?
 
 今日学園でイベントがあるなんて聞いてないし、そうなると普段から中途半端な男装している変態ってことになる。
 流石にそれはないだろうから、制服の着用を義務づけられた男子生徒って考えた方が自然。いや、こんな可愛い子が男だなんて思いたくはないけど…ありえなくはない、はず。

 そう仮定すると、私たちに性別を偽っていることになる。女の子相手に性別を意図的に偽る男なんて、下心があるに決まってる!


 となるとどっちにしろ変態!