―――――― 期待半分、諦め半分の気持ちで電車の窓から帰りの風景を眺める。 駅前広場で綺麗な女の人のあの歌声を聞いてから、 僕は毎日帰り際にあの場所を確認するようになった。 だけど、あの日以来、 女の人は現れていない・・・。 それまでと同じ、 ギターを片手に叫ぶのか歌っているかよく分からない男の人が、 雑音に似た歌声を披露していた。 また聴いてみたい。 あの透き通った全てを包むような・・・。 “お出口は~右側です” アナウンスと共に駅に到着すると足早に電車を降りた。