隣にいるランスはホットワインを飲みながら本を読んでいた

「ラ〜ン〜ス〜」

「なんだ?」
本から目をそらさず答える
それが更に気にくわないマリア

「つまんない!」

「お前も本でも読んでいろ」

「本なんて読んだら読み終わるまで寝れない!続きが気になっちゃう!!!」

「ホント、、子供かお前は」

「なっ、、私は立派な大人よ!ちょっと貸して!」
マリアはそう言うとランスのホットワインを手に取り一気に飲み干した

マリアの勇ましい姿をみて、はぁ、、、とため息をつくランス
「お前、、、大丈夫なのか?姫君の一気飲みなんて聞いたことないぞ?」

「ふん、大丈夫よ、大人だもの。このくらいの量なんて事ないわ。もっと飲みましょ?」

そう言うとマリアはベルを鳴らし、世話役を呼びホットワインのお代わりを頼んだ

「はいはい、わかった、わかった。酔いがまわるからベッドで横になれ」

「いやよ。ワインも来るんだし、まだ動く気ないわ」
「好きにしろ、、、」
ランスはまた本を読みだした

、、、ズキン

ハンスはいつも私を見ていてくれるけど、ランスにはそんなそぶりはない
本当にランスは私と結婚したいと思ってるの?
、、、もしかして、ランスが私と結婚したいと言ってるのは国王になりたいから、、、?
急にランスの事がわからなくなってきたマリアだった

コンコン、、

「ホットワインをお持ちしました」

「ありがとう、夜遅くにごめんね。」
「いいえ、大丈夫ですわ。お代わりが必要になりましたらまたお呼びください」

「ランス、ホットワインきたよ」
「あぁ、、、」
また素っ気ない態度、、、
アルコールの力もあってか、考えるよりも先に口が動いてしまう、、
「ねぇ、ランス!ランスにとって私ってただの政略結婚の相手なの?」
「なっ、、お前酔っ払ってるのか?」
「違う、酔っ払ってなんてない!」
「じゃあ一体急にどうしたんだよ」
「、、、」
「黙ってちゃわからないだろう」
ランスは読んでいた本をパタンと閉じ、マリアの隣に座った
「何かあるならちゃんと言え」
「いいよ、もう」
「そんな言い方されたら逆に気になるだろう」
自分が言い出した事だが、なんだか酷く面倒に感じた
マリアは気付いていないが、アルコールを飲んだ時の特有の気だるさがマリアを襲った
「だーかーらぁ、もういいの!ほっといて!」
勢い付いてまた、ワインを一気飲みし
「おやすみなさい!」と言い放ってベッドに潜り込んだ

「おい、なんなんだその態度は。ただの政略結婚ってなんだよ!」
明らかに不機嫌なランス
そして、マリアのシーツを取り上げた

「ひっく、、、ひくっ、、、」とマリアが涙を流していた
「マリア、、、」
「、、ぅぅ、、ランスは別に私が好きなんじゃないよね。親が決めた結婚相手だってだけなんでしょ?、、それなのに私、、ランスに私をみて欲しいって思っちゃって、、とんだ自惚れだよね、、、ひくっ、、」
「ばか、俺が好きでもない女を部屋に呼ぶかよ」
「だって、、ずっと本を読んでばっかりだし、私の事なんて子供、子供って、、んっ、、、」
マリアが話していると、ランスが口付けをした
「悪かった、、その、なんだ、好きな女と夜を共にするのに一線を超えてはいけないのは、、辛かっただけだ。本でも読まないと冷静さを保てなかった訳で、、、」

「へっ、、、?」

「間抜けな声を出すな、その口、塞ぐぞ」

またランスのキスが降って来た
だが、マリアはそれどころではなかった
急激に眠気が襲い、目を開けるのがやっとだった
「、、、ランスの、、いじ、わ、、る、、」
「フッ、俺は好きな子をいじめたいタイプだからな。今日は俺にここまで言わせたんだから覚悟しろよ、⁉︎⁉︎⁉︎」

「すぴー、すぴー、、、ランスの、、」
マリアは安心したのと、お酒が回って寝てしまった

「一気飲みするからだ」そう愚痴をこぼしたが、ランスの口元は優しく微笑んでいた

「すー、すー、、、ランス、、の、、」
「、、、?俺の夢か?」
「、、スの、、バカ」
すっかり寝ているはずのマリアがハッキリとバカだけ力を込めて毒を吐いた、、、

、、、起きたら覚悟してろ


fin...