七海side


「お母様は、なんでお父様と結婚したの?」


子供の頃に母に投げかけた疑問...


「それはね、お父様とお母様が好き同士だからですよ。」


あの時お母様の笑顔が幸せそうで、私も思わず、


「七海も早く好きしたい!」


と、大声で言った。
あの頃の私には、何となく好きって幸せなことなんだと思っていて、軽く言ってみただけだった…


しかし...


「七海がそんなことを...!?ダメだああぁあああああぁあああああああぁぁぁぁっ!?」


父には猛反対された...


今思えば、なんだか気持ちが悪いというものなのかもしれないけれど、当時の私としては、お父様の必死な姿に子供ながらに安心させようと...


「七海ね、お父様とお母様とずっと一緒に居る!だから、大丈夫!」


こんな言葉を言ってしまった...


「七海...」


「七海ぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?」


父と母の愛のこもったハグを受け止めながら、ニコニコしていたあの頃...



あの約束がまだ有効だったなんて...
当時の私は、夢にも思っていなかった…