銃声が合図のように、レオとロアは走り出した。
弾はバッグに当たり、バッグから石が飛び出す。
ラウルは男が持っている銃を蹴り上げた。
銃は遠くの方に飛んで行く。
と、男の顔面にロアの右ストレートが決まる。
「君はリンちゃんを宜しく」
ロアに言われ、ラウルは急いでリンの方に向かって縄を解こうとする。
が、硬く結ばれているため全く解けなかった。
「ちっ、切らなきゃ無理だな……」
ラウルは辺りを見回した。
そのラウルの背後に、パソコンの画面の前にいた男が動いて持っていた刃物で斬りかかろうとしている。
「おらぁっ!」
レオはその男の後ろから、落ちていた鉄パイプで男の首を思いっきり打った。
男は呻き声と共に気を失う。
「あ、丁度いいところに」
ラウルは男が持っていた刃物で、リンを縛っている縄を切った。
リンの手は恐ろしく冷たく、まるで死人のようだった。
「リンっ! おい、リンっ!」
ラウルが揺するも、リンが目覚める気配は無かった。
「頭を打ってるから、あんまり揺すらない方がいい。……脈は少しあるな」
レオはリンの手首に指を当てて、ほっと安堵した。
「リンちゃん、平気そう?」
と、前からロアの声が聞こえてきた。
「はい、まだ脈はありま……ロアさん……なんですかその返り血……」
レオとラウルはロアの返り血を見て顔を青くしていた。
多分、あの男のものだろう。
レオは少し男に同情した。
「ん、ちょっとやり過ぎたかなぁ。目が逝っちゃてる」
「「……」」
レオとラウルは哀れむように男を見つめた。
「どうでもいいから、早く警察と救急車呼んで――」
ロアがそう言った瞬間に、サイレンの音が聞こえてくる。
「……リンちゃんパパが呼んでくれたみたいだね」
ロアはそう言って苦笑した。
