「危ないよ、そこ」 低くも高くもない男の人の声。 それなのに、不思議と人を惹き付けるような声だった。 顔を上げれば、そこには今まで会ったことが無いくらい整った顔をした男の人がいた。 でも、その人の目は──。 「目が紅い……?」 炎のように紅い瞳。 普通なら驚くけど、彼の目が紅くても何とも感じなかった。 「珍しいね、僕の目を見ても驚かないなんて……」 そう言って、紅眼の麗人は目を細めた。