「ねぇ、アンジェリア。アンジェロ」
ママが撮った写真を見るためにパパの方に行くと、ふとアンジェラが口を開いた。
「「何、アンジェラ?」」
私とアンジェリアは声を揃えて、アンジェラを見る。
まあ、私もアンジェリアもアンジェラが言おうとしていることは分かってる。
「何か……つまんない……」
「「確かに……」」
私達は両親からしてみれば、天使。
物心ついてから一度も怒られた覚えがない。
何をしても怒られず、決まって両親は笑って私達の頭を撫でる。
『天使のいたずらだ』
そんな戯れ言を言って。
別にパパとママに不満がある訳じゃない。
ただ、つまらなかった。
両親の盲目な愛情が。
でも、程無くして起こる出来事で両親の盲目な愛情が変わる。
狂気的な愛情に──。