雪と断罪とそして、紅



「昨日、母さんと面会したらしいな。何故だ?」




「あ、そのこと!?」





まさか、そのことだとは思わなくて、私は驚いてしまう。






てっきり、寿永隊長のお気に入りのお菓子食べちゃったこととか書類のコピー間違えて紙を無駄にしたこととかetc…….。





「そのことって他に俺がお前に問い詰めるようなことあるのか?」





チラリと見てきた寿永隊長の目がキラリと光ったことが怖くて、私は無い無いというように首を横に振る。





……懺悔は後でしよう。





「操様にお食事に誘われたんです。高級料亭だったので緊張して料理の味は覚えてませんけど……」





「母さんに食事に誘われた?何故?」





寿永隊長は警察署を出た辺りで足を止めると、再び私を見た。





何か、寿永隊長の様子が変な気がする。






「仕事のこととか相談に乗って頂きました。それで、最後に『凌を末永く宜しく』と言われました」





「……それで、お前は何て言った?」






「え、それは──っ!」





私は彼から真っ直ぐな視線で見つめられ、息を飲む。