そんな才暉の頭を僕は叩いた。





「何すんだ、一飛!?頭いてぇって言ってんのに叩くんじゃねぇよ!」





「うるさい、この馬鹿!」





「……喧嘩売ってんのか、この野郎」





青筋を浮かべる才暉をよそに、僕はウイスキーを一気に煽る。





「本当に馬鹿だよね、才暉って」





「てめぇ、しばくぞ?」





本当に馬鹿だよね、才暉。






好きなくせに伝えなくて、結局最後は好きな人の幸せを願うんだから。





自分が幸せにしてやりたいって思わない辺りが本当に馬鹿だと思う。





でも、そこが才暉の良いところなんだけど。






「さーてと、次は何飲むかな」






僕のそんな言葉に、才暉と侑吏は「まだ飲むの!?」と声を揃えて驚いていた。