……才暉、何かオカンみたいだよ。
僕達には母親という存在は無いけれど、いたらこんな感じなのかもしれない。
僕は唇を尖らせながらソファーに戻ると、ソファーに置かれたクッションを抱き締めた。
「ほら、出来たぞ」
すると、すぐに才暉がソファーの前のテーブルに料理を置く。
やはり、予想通り麻婆豆腐で、他にはいつの間に作ったのか春雨の中華サラダや春巻、餃子が並んでいた。
「麻婆豆腐以外にも作ってたの?」
「ああ。お前がソファーで寝てる間にな」
お腹が空く前、仮眠という名の昼寝をしていた。
でも、寝ていたのは30分程度。
その間に色々作るとか出来るの?
まあ、良いや!
僕はクッションを放り投げると、才暉が持ってきてくれたビールを開けた。