「才暉ー、まだー?お腹空いたー!」
僕はソファーに座ってテレビを観ながらキッチンにいる才暉に声をかける。
先程からお腹が空腹を訴えて、グーグーと鳴っている。
「うっせぇ!もう少しで出来るから黙ってテレビ観とけ!」
才暉はタバコを咥えながらフライパンを振るう。
豆板醤や山椒の匂いがするから麻婆豆腐を作っているみたいだ。
普段はがさつな才暉だけど、何気に几帳面で料理好きという一面を持っている。
「えー。じゃあ、お酒飲む」
僕はキッチンに向かうと冷蔵庫を開けて、ビールを取り出した。
でも、才暉にビールを奪われて、
「空腹の状態で飲むんじゃねぇよ。酔いが回んの早くなんぞ。そして、許可なく人の部屋の冷蔵庫を開けんな」
キロリと睨まれた。