──ずっと彼女を見ていた。 彼女が俺のものになることはない。 ずっとそう思っていた。 ──でも、そんな彼女は今、俺の隣にいる。 俺の隣で笑っている。 小さな命を宿しながら幸せそうに笑っている。 俺は彼女とこれから生まれてくる命を絶対に守り抜く。 大切な彼女を遺して逝ってしまった兄さんと天河の分も。 誰よりも幸せにして、守る──。