「──さてと、生まれた赤ちゃんを見に行こうか」
もう少し彼女の温もりを感じていたいというのに、アリスさんは俺の腕から抜けて歩き出した。
でも、手は握られたままだ。
「どんな子ですかね?」
「んー、分かんない。でも、名前付けてあげないとね」
……もう人を殺さなくても良い。
だから、生まれた赤ちゃんにはちゃんと名前を付けてあげないといけない。
「そうですね」
「あー、三人分の名前かー。頭痛くなりそう……」
そうぼやく彼女だけど、何処か楽しそうで幸せそうだ。
その後。
彼女は無駄にIQの高い頭を酷使して、三人の赤ちゃんの名前を考えあげた。
双子は男の子が≪紅斗≫、女の子が≪紅緒≫、芦屋のDNAから生まれた子は≪芦葉侑吏≫と名付けられた。
意味は聞かなかったけど、三人が大きくなって会ったとき。
「あの三人、私が願った通りの子達に育ったよ」
そう彼女は嬉しそうに笑った──。



