雪と断罪とそして、紅



俺は冬雪が眠りに落ちた日から彼女の温もりを感じながら泣いてた。





毎日ではないが、涙を流すことが多かった。





「何度も私の名前を呼んでるのが聞こえてた。でも、返事が出来ない。依良が苦しんでるのに私は何も出来ないのがもどかしかった」





冬雪は俺の髪に触れては何度も何度も撫でてくれる。





今まで出来なかったことを埋めるかのように。






そんな冬雪の優しい手に不思議と眠気が襲ってきた。






「今まで不安で眠れなかったんでしょ?」





「いつ……君がいなくなるか怖かったからね……」





「大丈夫。もう私は何処にも行かないから」





頬に冬雪の柔らかな唇の感触を感じた。






でも、俺の意識はそのまま眠りへと落ちていく。





心地よかった。





自然と眠りに落ちていく感じが。





愛しい彼女の温もりを感じながら眠りに落ちていくことが──。