「おかえりなさい」と迎えてくた3人は口々にどうだったのか?と聞いてきた。

ボクは興奮気味に全部話した。

ナンパされてるのかと思って声かけたことや、水族館で過ごした内容、ランチ、散歩に至るまで。

優はボクの話を聞いて、何かメモしてくれていた。

水族館での鼻歌の話だったから、音楽にまつわる仕事を組んでくれるかもしれない。

「あ、晴香さんと契約しといたから!」と優に言われた。

何のこと?と首を傾げると、REIYARの衣装デザインを手がけてもらえることになったからと言われた。

えっ?そこまで仕事したの?

確かにボクらREIYARのマネージャーだけど、実は優は20歳と言う若さにして、事務所の幹部職を務めるツワモノ。

ゆえに、優の一言で多くのことが動く。

ボクはお姉ちゃんを見た。そしたら笑って頷いてくれた。

そのすぐ後、雪弥さんにボクはこんなことを言われた。

「ナンパだって思って、勇気を持って声かけたのはよく頑張ったな!けど…今回は違って良かった。けど…今度ホントにナンパされたら守れるのか?」と。

「無理です。怖くて、今回も体震えてました。声も…けど…、ありさちゃんを不安にさせたくない!守りたいって感じました!」とボクが言うと、満足そうに?イヤ、少し黒い笑みを浮かべるとボクにこう言った。

「なら、体も心も鍛えないとな?」と。

ボクは頷く。

そして…「なら、ボクシングと空手どっちがいい?」と言ってきた。

えっ?なんで…?この二択…?

「雪弥?あなたねぇ…どっちもハードル高いと思うわよ?」とお姉ちゃんは言ってくれる。

「甘いな!好きな女も守れんでどーすんの?俺が鍛えたらなアカンやろ?」と雪弥さんは言う。

「まぁそうね。雪弥はねぇ、アマのボクシングライセンス持ってるのよ。空手も指導員の資格持ってる、有段者よ!だからどちらかがいいってことなんだけど…」とお姉ちゃんは言った。

えっ?雪弥さん、そんなこともやるの?カッコいくて、英語も、中国語も出来るし、スポーツも万能…確かテニスとかもしてたよね?楽器も出来るし…言うことなしの完璧人間なのに!!ズルすぎる…。

ボクは小さく唇を尖らせた。

「あ、でも…ボクシングとかやっちゃうと…相手怪我させたりしたら問題になるのよね?一般の人殴ったらダメだったよね?確か…じゃあ、やっぱり空手かしら?」とお姉ちゃんは言った。

「そうだね!じゃあそうしよう」と雪弥さんに言われてしまった。

ボクはとりあえず頷いた。