残った数分の闘いの結果、今回は同点という終わりを迎えた。
「これからさ、同時にやって早さを競わない? もちろん正確さもだけど」
昼休み終了を告げるチャイムの中、わたしは提案した。
「電卓対暗算で?」
「そう」
「ああ……。そっちのが面白いかもな」
言葉とともに差し出された小野寺くんの手に、叩きまくった電卓を載せる。
「でしょ?」
「じゃあ、4桁以上の掛け算な」
「そんなもんでいいの? ああ、さてはお主、自信がないのじゃな?」
「いや、そこは自信しかないのだが、今やってるのも最終的にはそんなもんだからな。だったら最初からそうしちまったほうが効率がいい」
小野寺くんは、言いながら次の教科の教科書を出した。
「ほほう……。よく考えておるな」
わたしも同じように、ペンケースから5時間目用のシャーペンを取り出した。



