ばーか。〜あいつを振るなら、俺がその理由になってやるよ。〜



「えー、3,658」

「よしおっけ。次――」

「2,525」

「よし。次――」

「8,888」

「おっけー」

ゾロ目だ、と小野寺くんは少し嬉しそうに笑った。

「なんか、2,525とか8,888とか、楽しそうだよね」

こちらを向いた小野寺くんは、頭の上に疑問符を浮かべた。

「いやだって、2,525は読み方を変えてニコニコで、8,888も、読み方を変えると笑い声みたいじゃない?」

「ああ……。車のナンバーみたいな?」

「そうそう。前、おじいちゃんが乗ってた車が『1111』だった」

「えっ?」

「おじいちゃん曰く、『イヒヒヒ』のつもりなんだとか」

「ああ……」

斜め上からきたわ、と小野寺くんは苦笑した。

「でもなんか、藤崎のおじいさんってなると、そんな人のような気もしないでもないな」

「それは……褒め言葉として受け取っていいやつ?」

「まあ……藤崎のいいように受け取っておいて」

「ちょっ。それ絶対悪口のつもりで言ったやつじゃん」

わたしが肩を叩くと、小野寺くんは「イヒヒヒ」という不自然な笑い声とともに、チャームポイントである八重歯をのぞかせた。