「ていうか、みいはそいつでいいの？ そんな飽きっぽい男、やっぱ先に振ってやったら？」
「うん……」
みいは小さな声で言うと、「まだ、あたしは翔ちゃんのこと好きだから」と続けた。
「そっか……」
「でも、里香をも振ったほど飽きっぽい人ならちょっとこっちから振ってやりたいって気もするし、
本気で、心の底からそう思えたら振ってやる」
力強い目で語るみいに、「そうだよ」と笑顔を見せた。
「ねえ。でも……カケルのおかげでみいと逢えたんだよねえ……」
しばらくの沈黙のあと、ほとんど無意識に出していた言葉に、
「そこはあいつに感謝だね」とみいへの笑顔を付け加えた。
「ん、カケル？」
「ああ、遠山 翔のこと。付き合ってる頃、わたしは翔のことをカケルって呼んでたの」
「そうなんだ……。で？」
翔ちゃんのおかげであたしと逢えたっていうのは？と訊かれ、「ああ……」と苦笑をこぼす。
「それは……わたしがこの学校に通っていることが大きく関わってくる。
そうなると、前も言ったとおり、長くなるぞい？」
わたしが言うと、みいは「うん、いいよ」と頷いた。
