ばーか。〜あいつを振るなら、俺がその理由になってやるよ。〜



なにをしているときが癒やされるかという話から動物の話に変わり、

それが深まって弱肉強食の話になり、

最終的には世の中に対する不満などをこぼしていた。

4つもの話題で盛り上がれば、残った昼休みはあっという間に終わった。


最後に、昼休み終了を告げる囂しいチャイムに邪魔されながら

「次数学だぜよ」

「しょうがない、頑張ろう」と交わしてみいと別れ、席に戻った。


隣の、数学を愛する小野寺くんは、教科書やノート、筆記用具も完璧に準備していた。

「数学が好きって本当に羨ましいよ」とため息のようにこぼし、嫌々数学の教科書やノートを机の上に広げた。


数学担当の男性教師にしては教室へ襲い来るのに時間が掛かっていたため、

いっそこのままこなければいいのにと考えていた矢先だった。

数学担当の、背はさほど高くないが、横に大きな体といかつい顔のせいで威圧感に満ちた、中年の男性教師が入ってきた。

彼の着ている半袖のワイシャツは、いつボタンが生徒の目を目掛けて飛んできてもおかしくないくらいに膨らんでいる。

ワイシャツの腹部が膨らんでいるのはいつものことだが、今日はいつにもまして膨らんでいる気がする。