ばーか。〜あいつを振るなら、俺がその理由になってやるよ。〜



食後、一度みいと別れて自席に戻ると、ノートと向き合う小野寺くんに

「好きな数字ってある?」と訊かれた。

開かれたノートには綺麗な字で書かれた小難しい式が並んでおり、隣には電卓が置いてある。

どうせ計算に使うのだろうと考えたわたしは、なんとなく計算が難しくなりそうな「137」という切りの悪い数字を答えた。


小野寺くんは「さんきゅ」と素敵な笑顔を返すと、ノートになにかを書き、そこを眺めた。

計算式を眺めることに癒やされているのだろうかと頭の片隅で考えつつ、

わたしは巾着袋に入れた弁当箱をロッカーの中に放り、みいの席へ向かった。