ばーか。〜あいつを振るなら、俺がその理由になってやるよ。〜



遠山くんからの告白と思しき言葉に、戸惑いながらも頷いた。

初めて送る恋人のいる生活は、思いの外あっさりしたものだった。

ほとんどの休日をともに過ごし、放課後は一緒に帰る。

時々相手の家に寄ることもあった。


2月中旬の放課後、雪のちらつく中、カケルこと遠山くんを待っていた。

カケルという呼び名の由来は、わたしが勝手にトオヤマ ショウよりもトオヤマ カケルのほうがかっこいいと感じたこと。

彼の友人にも、1人だけカケルと呼ぶ人がいるらしい。

それがカケルの呼びを定着させるきっかけとなった。

わたしが遠山 翔をカケルと呼ぶのが定着した頃、カケルがわたしを呼ぶ名前も変わった。

しかしそれは名前の漢字の読みを変えるなんていうかわいらしいものではなく、

145センチというわたしの低身長をいじった「チビ」だ。

カケルとしては「チビ」ではなく「ちび」と平仮名のつもりのようだが、

そんなことは呼ばれているほうとしてはわかりっこない。