ばーか。〜あいつを振るなら、俺がその理由になってやるよ。〜



部屋にくると、寝起きのわたしが雑に畳んだ布団の上に鞄を放った。

直後に動きづらい制服から部屋着に着替える。


部屋着は楽さを追求したオーバーサイズで、鮮やかな黄緑色の2本線のジャージと、鮮やかな水色の2本線のジャージ。

黄緑色のほうが上、水色のほうが下だ。

本当はそれぞれ上下セットだったのだが、黄緑色のほうはズボンが、水色のほうは上着がなくなってしまったのだ。

新たに買わねば買わねばと思いつつ、自転車で1時間以上も掛けてまで最寄りの総合ディスカウントストアに行くのは面倒に思えてしまい、家では7年近くこのスタイルで過ごしている。


湿ったベストを脱ぎ、ハンガーラックに掛けようとしたところで、金曜日だし洗ったほうがいいだろうかと考え、丸めてドアの前へ投げた。

さっさと小ぶりな赤いリボンを外すと、ワイシャツを脱ぎ、それをハンガーラックに掛ける前に黄緑色のジャージを着た。

続いて赤地に黒い線が描かれチェック柄になっているプリーツスカートから、鮮やかな水色のジャージに着替える。

それからワイシャツとスカートをハンガーに掛け、ハンガーラックにワイシャツを冬服のキャラメル色のブレザーの隣に、スカートをその隣に掛けた。